ゼロベースで再スタートを切るツガワ
皆さん、こんにちは。ツガワの駒田です。
毎年のことですが・・・ゴールデンウイークは、一年で一番緊張みなぎる時間であります。この感覚は、かれこれ十数年続いております。3月には、フレッシュな新入社員を迎え、4月には花見でお祭り気分、そしてその勢いを駆ってゴールデンウイークに突入。と、3月~5月にかけては楽しいことばかりではないか?と思うものの、ツガワにおいては少し違った緊張感が流れております。それは、年度末の追い込みをかけるホームストレッチであるということ。そして、新年度に向けての準備や調整が最終段階にあるということがその理由。また、今年(今年度~新年度)においては、これまでとはまた少し変わった事業環境にあることが、この緊張感を増幅させております。
ホームストレッチ(4Q)に入る直前に起こったトランプショック(トランプ2.0)に端を発した自由貿易から保護貿易への流れがその一つ。加えて、それ以前からジワジワと広がるインフレや物価高も深刻さを増しております。更には、トランプ政権の露骨なまでのドル安誘導。そして、モノづくりに携わる者として危機感が増す頑固なモノづくりデフレ継続の流れ。また、一国民として大いに懸念するスタグフレーション(景気が停滞しているにもかかわらず、物価が上昇する経済状況)。
当ツガワにおいては、それらの影響が3Q~この4Qにかけて少しずつ出始めてきたのです。つまり、売上と利益の伸び悩みであります。ただ、今年度を通してみると前年度対比で売上が10%近く、利益が14%ほど上がっており、このままでいくと過去最高業績更新という状況の中、そんなに心配するほどのことではないと思われるかもしれません。が、問題は、2025年度1Q(6月~)の入りが非常に厳しいものになることが予測される点。勿論、この問題への対処は大分前から始めており、万全を期して新年度にのぞむ準備は整ってはいるものの、今後のアメリカ及び世界情勢の極めて見通しのつかない状況を鑑みると、もっと抜本的な構造改革をする必要があると思っているところであります。また、その構造改革や様々な改善を切らすことなく(これで良いという目安はない)永続的に行っていく必要性をヒシヒシと感じているところです。
2024年度(この5月期)の業績がどうあろうと、私は・・・・・
『勝って兜の緒を締めよ』ならぬ『勝つ前に兜の緒をしっかり締めよ』
『転ばぬ先の杖』ならぬ『転ばぬ先の先の先のまた先の杖』
を心して実行することが必要と考えております。
お蔭様でツガワは・・・
2010年からこれまで過去最高業績を更新し続けております。ただ、それは今年度2024年度をもって一旦終了すると思うくらいの認識を持つ必要があるとも思っております。そう簡単ではない、いや、かなり困難な時代がこれから始まるのです。いつもの私にしては少し悲観的過ぎやしないか?と思われるかもしれませんが、それくらいが丁度いいと思っております。
確かに、ツガワは2008年のリーマンショック以降、2010年から利益の大小はあれども15年間利益を出し続けて参りました。そして、今、極めて好調な世界の半導体市況の追い風の中で総額50億円の投資に踏み込めるまでの力がついて参りました。理想からするとまだまだではありますが、そこそこ企業体質が強靭化されてきているのです。ただ、残念ながら、この好調は、2024年度で一旦終了すると思っております。では、何故?私がここまで悲観的に終わる終わると言い切るのかと申せば、それは・・・
私が常日頃口癖の様に言う、“これまでの延長線上でやっていてはダメ”ということが、いよいよ心底分かってくる時代になってくるからです。これは、決してトランプ2.0だけの問題ではありません。様々に想定される事業環境を鑑みてのこと。ですが、希望がないわけではありません。やり方を変える即ち“これまでの延長線上ではない”やり方をゼロベースで、スピード感をもってやれば、これまで以上の成果を生むことが出来ると私は確信しております。今日は、この予想される厳しい事業環境を前にして、ツガワ全社員が心すことと、企業として心し実行することを以下簡単に列記致します。
ツガワ全社員が心すことは、
一、2010年度から14年間続いた良い時代は終わったことを強く認識すること
一、昨今の世界情勢を鑑みると、2025年から2026年の2年間は少なくとも経済的な停滞期となる。年度としては、2025年度から2026年度までの2年間。
一、満足度の定義をお客様(CS)だけでなく、全方位的に定義づけし、その向上に努めることが必要。厳しい時代に突入するからこそ、全方位的満足度向上が大切になる。
一、全ての業務を“これまでの延長線上でやっていてはダメ”。全てをゼロベースで再スタートさせ、改革(構造改革含む)のスピードを上げねばならない。
一、ここまでの危機感、心配・懸念、悲観的なものの見方、不安感を持つ企業は少ない。よって、この様な感情をもとにし、動き始めた者が勝つということを忘れぬこと。
一、次なる良い時代は、2025年(年度としては2025年度)から始まる。今動き始めれば、恐らく次なる10年、20年、その先の30年を良い時代とすることができる。
次に、ツガワが企業として心し実行することを以下に
一、構造改革による更なる企業体質強靭化を図る
一、営業体制再構築と新たなる製販体制づくり。最適なサプライチェーンを構築する。
一、自社製品開発の強化と“得意に特化”の促進。オリジナリティを強く意識した事業展開を行う。
一、賃金政策を基本とした経営計画。最重要経営テーマとして、新年度より実行。
一、経営=投資という位置づけで、間違いのない投資計画と投資判断を行うと共に、投資対効果を厳しく確認。
一、ツガワ流アメーバ経営の拡大を図る。その為に、徹底的に管理力強化を図る。また、新規事業創出やDXを絡めて、包括的な取り組みを行っていく。
新年度(6月~)のツガワの取り組みにご期待下さい。